[改定速報] 退院早期のリハ算定日数上限からの除外を提案 中医協で厚労省
今回のポイント
●中央社会保険医療協議会・総会は10月25日、【回復期リハビリテーション病棟入院料】と【疾患別リハビリテーション料】について、2巡目の議論を行った○回復期リハについて厚生労働省は、アウトカム評価の実績指数に基づく入院料のあり方の検討や、退院後早期の患者を【疾患別リハ料】の標準的算定日数上限の除外対象とすることを提案。
○2018年度改定で介護保険に移行の方向が打ち出されている維持期のリハでは、要支援・介護者に対する【疾患別リハ料】算定の経過措置を2019年3月末まで1年間延長する考えを提示
中央社会保険医療協議会・総会は10月25日開かれ、【回復期リハビリテーション病棟入院料】と【疾患別リハビリテーション料】について、2巡目の議論を行った。回復期リハについて厚生労働省は、アウトカム評価の実績指数に基づく入院料のあり方の検討や、退院後早期の患者を【疾患別リハ料】の標準的算定日数上限の除外対象とすることを提案。2018年度改定で介護保険に移行の方向が打ち出されている維持期のリハでは、要支援・介護者に対する【疾患別リハ料】算定の経過措置を2019年3月末まで1年間延長する考えを示した。診療側委員は、回復期リハのアウトカム評価について現状維持を求めたが、支払側は基準厳格化を要望。一方、残り2つの提案でも診療側が賛成したのに対して、支払側は難色を示すなど、意見が割れた。
2016年度診療報酬改定では回復期リハ病棟にアウトカム評価が導入され、3カ月ごとの報告でリハの効果の実績を示す「実績指数」が2回連続で27未満の場合は、【疾患別リハ料】の算定が6単位までに制限され、超過分は入院料に包括される取り扱いになった(参照)。厚労省のデータによると、1日平均6単位以上のリハ提供実績がある回復期リハ病棟は、ほぼ全てで実績指数が基準の27以上であったのに対し、それ以外の病棟ではばらついていた(参照)。さらに実績指数が高い病棟ほど、平均在院日数は短く、在宅復帰率がやや高めであることなどから、厚労省はアウトカム評価をさらに推進するとして、実績指数に基づく【回復期リハ病棟入院料】のあり方を検討課題に据えた(参照)(参照)。
◆病棟リハスタッフの専従の取り扱い見直しも検討課題に
一方、回復期リハ病棟の患者の約65%は退院後も何らかのリハを必要としているが、退院後に通所リハビリテーションを利用するまでに14日以上かかっている患者は、2割近くに上る(参照)(参照)。こうした原因の1つとしてあげられるのが、人員配置の問題から自前で通所リハや訪問リハを提供している回復期リハ病棟保有病院が、全体の半数程度に止まっていること(参照)。しかしながら、多くの病院は病棟に基準よりも多い専従リハスタッフを配置しており、絶対数が足りないわけではなく、配置の運用に課題があることがうかがえる(参照)。
もう1つの問題は、【回復期リハ病棟入院料】の算定日数上限と、【疾患別リハ料】の標準的算定日数との関係。【回復期リハ病棟入院料】は、患者の状態に応じた日数上限が定められているが、上限いっぱいまで入院した後、外来リハに移行した場合、その時点で疾患別リハの標準的算定日数まで残りわずかだったり、すでに超過してしまっていることがあり得る(参照)。そのため厚労省は、退院後早期の患者を【疾患別リハ料】の標準的算定日数上限の除外対象とすることや、病棟に専従配置されている理学療法士などが退院後のリハ提供にも関与できるよう、専従の取り扱いを見直す考えを示した(参照)。
関連資料
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